2007年06月21日

子どもの居場所という視点

mixiで紹介されていたボーイスカウトに関する番組に対する権六さんへのコメントを書いていたのですが、 コメントでは紹介できない部分があるので、新しく記事にしちゃいます。

権六さんは次のようにコメントしてくださっています。

加盟員が減っているのは確かですが、ピーク時って恐らく第2次ベビーブームの子供たちだったと思います。(自分もそうだし)
当時と現在の出生数を比較すると約半分になっています。
http://www.ipss.go.jp/syoushika/seisaku/html/111b1.htm
紹介された番組ではピーク時の45%と言ってましたが、子供の数が半分になっているのなら加盟員も半分になるだろうと思います。
但し当時は男子だけだったので単純に半分とは言い切れませんが。

むしろ人集めに奔走し、本来の目的を見失ってしまうことのほうが心配です。

おっしゃるとおり、人集めに奔走して本来の目的を見失うのは明らかにまずい。そこは当然押さえておかなければいけないのだと思います。

権六さんも指摘しているとおり、昭和58年のピークから現在までにビーバーが発足し、女子加盟も可能になりました。これを考えると、 数字だけで単純に考えるなら、加盟員数はピーク時の2割減くらいで収まっていいのではないかと私は考えています。つまり、 人口の変化とは違った要素があって、ボーイスカウトの加盟員は減っているはずだと考えています。

いずれにしても「なぜ減ったのか」の分析は必要でしょう。表面的な部分では確かに行われているけど、本質的な部分で「なぜ?」 と言うことはあまり分析されていないように私は感じています。

実は、ボーイスカウトなど既存の青少年団体の活動に子供が参加しなくなったことについて、「子どもの居場所」 という観点から結構研究が進んでいます。立教大学の田中先生は「子ども・若者の居場所の構想」のなかで「グループワークの限界と可能性」 といった視点からボーイスカウトのことを書いてくださっています。

子ども・若者の居場所の構想―「教育」から「関わりの場」へ
子ども・若者の居場所の構想―「教育」から「関わりの場」へ

田中 治彦

学陽書房 2001-04
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この本のなかで萩原健次郎先生が「子どもの経験」についてモデル化してくださっているのですが、 ボーイスカウトがどのような位置づけにいたのかがわかりやすく記述されています。

以前、萩原先生の講演をお聞きし、その後懇親会でご一緒させていただいたのですが、社会教育の中での「子どもの居場所」のとらえ方と 「文科省の施策の中での子どもの居場所」のとらえ方が微妙に異なるため、とてもやりづらいというお話をなさっていました。 ボーイスカウトの中での子どもの居場所というとらえ方は文科省の施策の一環としてだと思われるので、再度社会教育の中での「子どもの居場所」 について、研究してみる必要があるのではないかと感じています。

posted by 黒澤岳博 at 07:32| Comment(12) | TrackBack(0) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月28日

新たに関連書籍を紹介しています

←左に「スカウティング関連書籍紹介 」というメニューが加わったことにお気づきになりましたか?

amazonの新たな機能「マイストア」を利用して、ボーイスカウト関連書籍野外活動関連書籍アウトドア関連書籍キャンプ関連書籍ボランティア関連書籍コミュニケーション関連書籍口コミ関連書籍をメニューとして加え、すぐに検索できるようにしてみました。

つまりは、私自身が気になる本を検索できるようにしたわけですが、ここを利用して情報収集が楽にできるようになったんじゃないかと思っています。ご利用くださいませ。

posted by 黒澤岳博 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月06日

WEB2.0って、「運動」なんじゃないかなあ?

ぬまたさんからご推薦をいただいて、下記の図書を読んでいました。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる梅田 望夫

筑摩書房 2006-02-07
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すっごく面白かった。
ネットワーク上のサービスが、いわゆる「WEB2.0」と呼ばれるものに至るまでの考え方について書いてあるんですけれども、この本では「こちら側(PC端末側)」と「あちら側(ネットワーク側)」というような分け方で、これまでのネットワーク上のサービスを分けています。

これまで(WEB1.0)は、ネットワークに接続しているPC端末にソフトをダウンロードしてきて作業するといった考え方なわけですが、WEB2.0ではネットワーク上で全てを解決していくという考え方でサービスが成立している。つまり、そもそもの考え方が違うから、サービスの進化の度合いも変わってきているというのです。

なんかこれを読んでいて、いわゆる「運動」とは、WEB2.0っぽいものなのではないかと感じました。

たとえばウィキペディア。wikiの機能を使ったオンライン辞書で、書き手は「権威」ではなく、「書きたいと思った人」。ユーザーがある事柄について知っていれば、すぐに書き手になれる。

この感覚って、私たちボーイスカウト指導者はいつでも感じているはずのことであるはず。息子をボーイスカウトに入れてみようかなと思っていたら、気がついたら自分がリーダーをやっていたなんていうのは、このブログを読んでいる人の半分以上であるはず。

オンラインで起こっている最先端の事象は、気がつくとボーイスカウト関係者が常に行っていることだったというのは、なんだかうれしかった。でも、そういうの常に「スカウトと共に活動する隊指導者」レベルであって、「組織運営者」はいまだに「WEB1.0」であるというところに、逆に危機感を覚えました。
posted by 黒澤岳博 at 22:45| Comment(2) | TrackBack(1) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月11日

班の意識

「日本を滅ぼす教育論議」という本を読みました。

日本を滅ぼす教育論議日本を滅ぼす教育論議
岡本 薫


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この本では「日本人の多くに何らかの思考プロセスや陥りがちな論理の陥穽のようなもの−−−が、日本における教育論議に『すれ違い』や『カラ回り』をもたらし、建設的な教育論議を妨げているのではないかと言うことをずっと思い続けてきた。」と言う帯の言葉通り、様々な教育論議に対し、思いこみを排除した「地に着いた論議」を提起しています。

この中でとても気になった議論がありました。第2章67pの「協調性−−−『掃除当番』『班』等の効果」と言う項目でした。日本と諸外国の教育を比較した場合、日本の教育において「掃除当番」「給食当番」「班別活動」と言ったことは、日本独特の実践であり、これらの活動が子ども達の態度形成に与える影響は、日本よりも外国の専門家が注目をしてきたというのです。

つまり、日本の方が「班(=小集団)で行動する」と言ったことになれている(または、機会が多い)と言うこと。

そんな話を読んで、職場の隣に座るアメリカ人に「学校でご飯食べたり、掃除したりはどうやってたの?」と聞くと「ご飯はカフェテリアで好きな友達と食べる」「掃除はしない」ということでした。

「班での活動が学校では少ない」と言うことは、その分ボーイスカウトでは「効果的に」班での活動が行われる可能性がある。日本はその逆。同じプログラムをやっていると仮定すると、日本の方が効果が少ないという可能性が想定できるわけです。

この本を読んでいて、ボーイスカウトでも、しっかりと「なぜこのような問題が起きているのか」を議論する必要があると思いました。しっかりと根拠を見定めて議論をしないと、本質を見失ってしまっていることも実際にいくつか・・・。環境保護の議論とかは、少なくとも薪の話から考えていくと、微妙な位置にいることは、以前のつたさんのお話からも理解できることです。

って考えていたところにスカ研代表・中島さんからお電話。以前の「14NJの薪」での議論、うまくまとめれば研究論文として発表できるんじゃないの?と言うお話をさせていただきました。もし、具体的な話になったら、つたさん、ご協力をよろしくお願いします。「共著」ってことで。
posted by 黒澤岳博 at 23:12| Comment(0) | TrackBack(1) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月24日

踊る大捜査線に学ぶ組織論








476126277X 踊る大捜査線に学ぶ組織論入門

金井 壽宏 田柳 恵美子



かんき出版 2005-09

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先週、今週と「踊る大捜査線」の映画をやっています。だからってわけじゃないのですが、上記の本を読んでました。


映画の中での場面をひとつひとつ取り上げ、それに関連した組織論を紹介してくれています。
これを読んでいるとがなんだかボーイスカウトの組織にも当てはまりそうなことがいくつもあるのです。特に第1章の「組織のダイナミズム」
の項なんて、「実際にスカウトに接する隊リーダー」と「団委員や地区スタッフ」との乖離が起きている時って、
こういうことなんだろうなあと考えさせてくれます。


あ、織田裕二、「県庁の星」の映画版やるらしいですね。読まなくちゃ・・・。

posted by 黒澤岳博 at 10:22| Comment(3) | TrackBack(0) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月08日

リピーターを作る

話題の「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を読みました。この本の141ページに「リピーターを作る」という項目があり、地域密着型でリピーターを作ることに成功したJリーグやメジャーリーグが紹介され、日本のプロ野球はリピーターを作ることを怠ってきたという評価がありました。

ボーイスカウトに置き換えてみると、保護者にどのようにリピーターになってもらうのかということになるのでしょうか?
私たちボーイスカウト運動が提供するサービスを保護者が満足すれば、自分の子供だけを入れるのではなく、知り合いにも紹介するだろうし、指導者として参加することもあるのでしょう。

この本では「細かい財務諸表などが出てこない会計の本」として、会計の本質的な考え方について書いてあります。視点としてとても興味深いものでした。







4334032915さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学

山田 真哉



光文社 2005-02-16

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posted by 黒澤岳博 at 22:23| Comment(6) | TrackBack(0) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月01日

ボーイスカウトでメシが食えるか?

下記のような本があることを知りました。

489082250Xサッカーでメシが食えるか?―サッカーのお仕事大紹介
スタジオダンク

ノースランド出版 2005-05
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まだ読んでいないんですが、これと同じような考えで「ボーイスカウトでメシが食えるか」って、ちょっと知りたいところですよね。

ある意味、宇宙飛行士の野口さんなんかは「ボーイスカウトは夢を実現するように有益だった」ということなのでしょうから、同様にボーイスカウトでメシが食えるようになった例を追っかけていくと、スカウト経験のある有名人同様の有益な情報になるように思えます。今がチャンスかも。
posted by 黒澤岳博 at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月13日

パブリックとプライベート

以前、総長の資格で、B−Pが書籍として彼の考えを残してくれたことについて書いてみました。現在の日本におけるボーイスカウト運動の文献・文書が「作られていない」「残されていない」「伝わってこない」ことと対比してみると、現状の日本のボーイスカウトの問題点は、この文書・文献がないことによることが大きいのではないかと考えはじめていました。

そんな中、通勤電車で読んでいた本に、このことを証明してくれるような記述を見つけました。その本は、これ。

4479791000原稿用紙10枚を書く力
斎藤 孝

大和書房 2004-09
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題名通り、書く力をつけるにはどうしたらよいのかを、しっかりと説明してくれている本なのですが、この中に次のような記述があります。

「話す」ことは基本的にプライベートな行為である。それに対して、「書く」という行為は、話すことのようにその場で消えてしまうのではなく、文字として残る。そのことによって、「書く」ことは公共的(パブリック)な行為になる。(39ページ)

この言葉と日本のボーイスカウトの現状を考えると、なんとなく見えてくるものがあるように思えます。もしかしたら、ボーイスカウトは結局プライベートの域を超えずに今に至ってしまったのかもしれないと感じました。

本来、「社会教育」の範疇にはいるべきボーイスカウトは、社会における公共性の一端をになっていたはずなのに、プライベートな作業を繰り返してきてしまったがために、社会においてもプライベートな存在になってしまったのではないか。

じゃあ、プライベートからパブリックへの転換のためには、まず「書け」ばいいのではないか。まさにスカウティング研究集会開催の意識そのものですし、研究センターでストックを集めようと考えてる理由そのものなのでした。
posted by 黒澤岳博 at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月25日

スカウティング研究第14号

 たまには、スカウティング研究センター発行の冊子を紹介させてください。スカウティング研究第14号

これが今のところ最新刊(にしてはちょっと前・・・)。
2003年3月に行われた第13回スカウティング研究集会における研究発表等を掲載しております。内容は次の通り。

  • 森 豊((旭川第12団)「宇都宮太郎と旭川少年団 第3報 日英間の陸軍軍人の交流と情報伝達経路について その2『林董関係文書』 から」/
  • 中島豊(長野大学)「パトロール・システムの研究(7) −パトロールシステムに関するチェックリストの項目(試案)−」
  • 新堀春輔(京都59団)「のらねこ連盟の活動について」
  • 鈴木幸一(横浜96団)・神園健治(川口15団)「スカウティング災害ボランティアネットワークの発足と運営について」
  • ミニシンポジウム「『班制度研究』をもとに現状の班制度を考える」牛山佳久日本連盟副総コミッショナー・ 川口多久也浜松東地区コミッショナー・中島豊長野大学助教授
  • 付録・圓入智仁「戦前における海洋少年団の理念−退役軍人・原道太の言説に着目して−」

B5判93ページとなっております。価格は送料込みで1500円。画像をクリックすると、カートに飛びますので、 ご希望の方はそちらからご購入ください。

posted by 黒澤岳博 at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月23日

NPOと社会をつなぐ(書籍紹介)

4130501615NPOと社会をつなぐ―NPOを変える評価とインターメディアリ
田中 弥生

東京大学出版会 2005-06
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現在品切れなので、備忘録としてこちらに掲載しちゃいます。田中先生、NPO活動のミスマッチに関する著書があります。NPOたるボーイスカウトとしては、とても参考になると思います。
posted by 黒澤岳博 at 06:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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